「みなし残業35時間で月給25万円」という求人。
一見良さそうに見えるこの条件、実際はどうなのでしょうか?
毎月のように残業時間が「みなし」の範囲を大幅に超え、実質的な時給が下がっていく現実に直面している方も多いのではないでしょうか。
この記事では、みなし残業の問題点と、そこから抜け出す方法を解説します。
このようなケースのみなし残業は要注意!

みなし残業(固定残業代制度)は、一定時間分の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度です。
しかし、この制度が適切に運用されていないケースも少なくありません。
以下のような状況に当てはまる場合、その制度は法的に問題がある可能性が高いため、特に注意が必要です。
- 就業規則にみなし残業の規定がない
- 雇用契約書等に明記されていない
- 残業時間が月45時間を超える
- 給与明細に記載がない
- 時間を超えているのに残業代が支払われない
①就業規則にみなし残業の規定がない
みなし残業制度は、就業規則に明確に規定されていることが法的要件です。
就業規則は会社のルールブックであり、給与や労働時間に関する重要事項はここに記載されているべきです。
- 就業規則に規定がなければ、会社が独自の解釈でみなし残業を運用する恐れがある
- 労働基準監督署の監査で問題視される可能性が高い
- 社員間で異なる取り扱いがされるリスクがある
みなし残業については、以下のようなポイントを確認するようにしましょう。
- 就業規則に「固定残業代」「みなし残業」「時間外勤務手当」などの項目があるか
- その規定内容が明確で、対象時間や金額の計算方法が示されているか
- 就業規則が社員に周知されているか
もし就業規則に規定がない場合、会社に説明を求めたり、労働基準監督署に相談することも検討すべきです。
②雇用契約書等に明記されていない
みなし残業制度を適用する場合、雇用契約書や労働条件通知書に、その内容を明記することが法律で義務付けられています。
- みなし残業の対象となる時間(例:月30時間分)
- その金額(例:5万円)
- 基本給との区別(どの部分がみなし残業代なのか)
- みなし時間を超えた場合の追加支給の条件
労働基準法第15条では、労働条件の明示が義務付けられており、2019年4月からは「固定残業代等の計算方法」の明示も義務化されました。
契約書等への明記がない場合、その固定残業代制度は無効となる可能性があり、実際に働いた残業時間全てに対して割増賃金を請求できる権利が生じます。
③残業時間が月45時間を超える
月45時間は「時間外労働の限度に関する基準」で示される上限です。
みなし残業時間がこれを超える設定になっている場合、長時間労働を前提とした違法な労働環境の可能性があります。
- 厚生労働省のガイドラインで示される「過労死ライン」の目安
- 月45時間を超える残業が常態化すると健康リスクが高まる
- 2019年の働き方改革関連法で、残業時間の上限が月45時間、年360時間と法制化された
特に、以下のようなパターンでは注意が必要です。
- みなし残業が月60時間など、上限を超える設定になっている
- みなし残業は45時間以内だが、実際には毎月それを大幅に超えている
- 休日出勤も含めて長時間労働が慢性化している
このような環境では、健康被害のリスクだけでなく、会社のコンプライアンス意識の低さも懸念されます。
④給与明細に記載がない
適正なみなし残業制度では、給与明細に「基本給」と「固定残業代(みなし残業代)」が別項目として明記されているべきです。
基本給:200,000円
固定残業代(30時間分):50,000円
その他手当:20,000円
総支給額:270,000円
自分の給与明細が以下に当てはまる場合は、注意しないといけません。
- 固定残業代の記載がなく、単に「基本給」や「総支給額」だけになっている
- 「手当」などの曖昧な名目に含まれている
- みなし残業の対象時間が記載されていない
このような不透明な給与体系は、残業代の不払いを隠蔽するために用いられることがあります。

給与明細に明確な記載がない場合、会社に説明を求める権利があります。
⑤時間を超えているのに残業代が支払われない
みなし残業制度の最も重要なルールは、設定された時間を超えて残業した場合、超過分の残業代を追加で支払わなければならないという点です。
- 例:30時間のみなし残業で、実際に40時間働いた場合
- 超過した10時間分の残業代を追加で支払う義務がある
このような状況は明らかな労働基準法違反であり、未払い残業代として請求できる権利があります。
また、2年前までさかのぼって請求することが可能です。
これらの問題が複数当てはまる場合、その職場のみなし残業制度は法律に違反している可能性が高いと言えます。
自分の権利を守るためにも、労働条件や給与体系をしっかりと理解し、必要に応じて専門家(労働基準監督署や労働組合、弁護士など)に相談することをおすすめします。
みなし残業はやめたほうがいいって本当?


「みなし残業はやめたほうがいい」という意見を耳にすることが増えていますが、この制度自体に善し悪しがあるわけではありません。
みなし残業(固定残業代制度)は、適切に運用されれば企業にも従業員にもメリットがある制度です。
しかし、実態として多くの職場で不適切な運用が行われているのも事実です。



みなし残業制度が自分に合っているかどうかは、自身の働き方や価値観、そして何より実際の労働環境によって異なります。単に「やめたほうがいい」と一概に言えるものではなく、具体的な状況に応じた判断が必要です。
重要なのは、自分の労働環境と報酬が適正かどうかを客観的に評価し、必要であれば行動を起こすことです。
みなし残業制度自体が悪いのではなく、その運用方法と自分の状況とのマッチングが問題なのです。
みなし残業のデメリット


みなし残業制度は、労務管理の効率化などのメリットがある一方で、働く人にとって見過ごせないデメリットも存在します。
制度自体ではなく、その運用方法に問題がある場合が多いのですが、みなし残業制度が抱える本質的な課題も理解しておく必要があります。
ここでは、みなし残業制度の主な3つのデメリットについて詳しく解説します。
- 長時間労働につながる
- 基本給が低い場合がある
- 違法な制度が適用されている可能性がある
長時間労働につながる
みなし残業制度は、その構造上、長時間労働を促進してしまう側面があります。
「一定時間分の残業代はすでに支払われている」という前提があるため、会社側も従業員側も残業を当然のものとして受け入れやすくなります。
たとえば、月30時間のみなし残業が設定されている場合、会社としては30時間までの残業であれば追加コストが発生しないため、業務量の調整や効率化への動機が薄れがちです。



特に問題なのは、みなし残業時間が「ノルマ」のように認識されるケースです。30時間のみなし残業なら「毎月最低でも30時間は残業するもの」という風潮が職場に生まれると、たとえ業務が終わっていても残業する「居残り文化」を助長してしまいます。
長時間労働を誘発する要因
要因 | 説明 | 具体例 |
---|---|---|
残業の固定化 | 残業が「当たり前」という認識が定着する | 「みなし残業分は必ず働くべき」という雰囲気 |
コスト意識の低下 | 追加残業代がかからない範囲内なら残業させても会社のコストは変わらない | 月20時間のみなし残業なら、19時間目までは気軽に残業を命じる |
自己申告の抑制 | みなし時間を超えた残業の申告をためらう心理が働く | 「みなし時間内に収めないと評価が下がる」という恐れ |
管理の形骸化 | 労働時間の正確な管理がおろそかになりやすい | タイムカードはあっても実態と合わない運用 |
こうした長時間労働が常態化すると、生活時間が削られるだけでなく、健康面にも深刻な影響を及ぼします。
慢性的な疲労は免疫力低下や生活習慣病のリスクを高め、メンタルの悪化にもつながります。
また、長時間労働によるストレスが家庭生活にも波及することで、ワークライフバランス全体が崩れるという悪循環に陥りやすくなります。
基本給が低い場合がある
みなし残業制度を導入している企業の中には、基本給を低く設定し、みなし残業代を加えることで見かけ上の給与水準を高く見せる手法をとっているケースがあります。
これは求人広告などで「月給30万円!」と大きく掲げながら、実は基本給が18万円程度で、残りの12万円がみなし残業代という構造です。
このような給与体系の問題点は、基本給に連動する各種手当や将来的な待遇に影響が及ぶことです。



ほとんどの企業では、賞与(ボーナス)は基本給をベースに計算されるため、基本給が低く抑えられていると賞与も比例して少なくなります。例えば、基本給30万円で賞与が基本給の4ヶ月分なら120万円ですが、基本給18万円なら72万円と、年間48万円もの差が生じます。
さらに、基本給が低いと、みなし時間を超えた場合の追加残業代の単価も低くなるため、結果的に労働に対する対価が適正に支払われないという状況を生みます。
違法な制度が適用されている可能性がある
残念ながら、みなし残業制度を法律に違反する形で運用している企業も少なくありません。
- 不明確な制度設計
- 雇用契約書や給与明細に固定残業代の記載がない
- みなし残業時間が明示されていない
- 基本給と固定残業代の区別がされていない
- みなし時間超過分の不払い
- みなし時間を超えても追加の残業代が支払われない
- 「みなし残業制度だから何時間働いても同じ」と説明される
- 残業時間の過少申告を誘導する
- 労働時間管理の不備
- タイムカードや勤怠システムが実態を反映していない
- 「自己研鑽」などの名目で残業と認めない
- 持ち帰り仕事や休日のメール対応が労働時間にカウントされない
違法な制度に対する対応策としては、以下のようなものがあります。
□ 労働条件通知書や給与明細を確認し、不明点は書面で説明を求める
□ 自分の労働時間を独自に記録しておく(スマホのアプリなどを活用)
□ 同僚と情報共有し、組織的な問題か確認する
□ 労働基準監督署の無料相談窓口を利用する
□ 弁護士や労働組合に相談する



これらのデメリットを踏まえると、みなし残業制度そのものというよりも、その運用方法に問題があることが多いと言えます。自分の労働環境や待遇に疑問を感じる場合は、まず正確な情報収集を行い、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。
また、転職という選択肢も視野に入れるなら、みなし残業のない、あるいは適正に運用されている職場を探すことも一つの解決策となるでしょう。
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